Chapter 1

戦略 / 攻略条件の明示と基本的戦略の構築

1.1 攻略条件

  • 最低戦闘数(25戦)でクリア
  • 開発、閃き目的など「25戦」以外での敵とのエンカウントを禁止
  • 指輪転がしを許可、その他ゲームの進行の多大な影響を及ぼすバグは不許可

上記の条件で攻略します。この制限の目玉が2番の必要以上の戦闘の制限です。 むしろこの制限がなくなるとただの劣化トレースになってしまいます……。 平たく言えば、「必要な戦闘(25戦)以外ではエンカウント禁止」ということになります。ムルムルさんの攻略では、揚げ足を取るような書き方になってしまい大変恐縮なのですが、開発を進めるために雑魚モンスターとエンカウントし、そのまま退却して勝利せずに強力な開発アイテムを入手したり、魔王殿の巨人やアラケスで閃き稼ぎをするなど、「戦闘数」で考えると「25」ではなく、「勝利数」が「25」となっているかと思います。 今回私が行った攻略では純粋な「戦闘数」が「25」です。

これにより、開発が殆ど進まない、序盤の戦闘が辛くなる、必要な技を計画的に閃かなければいけないなどの制限が加わります。 さらに、破壊するものの直前で分身剣の参照能力値を99にするために戦闘することができなくなります。実はこれが一番厳しい部分です。

3番の指輪転がしについてです。 前述の制限により余計な敵とは一切戦えないため、巨人からの無刀取りでトリプルソードを無限に入手ということができなくなってしまうので、必然的に金欠となります。 トレードなどの各イベントをこなしたりすればある程度は工面できるかもしれませんが、そこまで考えるのはあまりに大変で、本質にはそこまで重大に関わらない(関わるけど)と考えて許可してしまいました。 指輪転がしを禁止してクリアできるかどうかは保証できませんので悪しからず。

条件は以上です。 「真」の意味はご理解頂けたでしょうか? 次に、この制限下で取るべき戦略を導きます。

1.2 対 破壊するもの

ロマサガ3のやり込みをする際にまず考えるのは、ラスボスである「破壊するもの」を如何にして倒すか、だと思います。 はっきり言って、破壊するもの以外には大した強敵が存在しないのです。 フォルネウス(幻影)が、HPや攻撃力が高く、破壊するもの以外では強敵であると言えますが、それでも破壊するものの強さには到底かないません。 そして、「25戦」という制限の下では、真四魔貴族に欠員を作れないので、所謂真・破壊するものと戦うことになってしまいます( 何だか「真」がやたら多いですね)。

真・破壊するものが何故強いのか。 それは、膨大なHP、多彩な攻撃、トータルエクリプスによる補助効果の消失、地相アビスによるダメージ、フェイタルミラーによる自爆など、数え切れない程あります。この辺は通常プレイでも同じですね。

しかしどんなに強い敵であろうが、「行動させない」ことで無力化できます。 それを可能にするのがクイックタイムです。 そして、膨大なHPを、低ステータスでも一瞬で(とまでは行かないが)削りきる破壊力を持つ技は分身技しかないでしょう。クイックタイムと分身技といえば、分身技の性質が13/6/9さんによって発見されて以降、ムルムルさんの25戦クリアや、duckyさんのRTAなどでその威力を我々に見せ付けています。この制限でもやはりこの二つの強力な技を使って破壊するものに挑みます。

ここで分身技の性質の簡単な確認をします。 分身技は、武器レベルに比例して攻撃回数が増え、ダメージが爆発的に増します。 しかしそれ以外の要素で非常に重要なのが、13/6/9さんが発見した、「直前の行動で参照した能力を再び参照する」というものです。 依存能力99の状態で技を使い、その後で分身技を使うと、莫大なダメージが入ります。

ムルムルさんのやり込みでは、破壊するものとの決戦の直前に、雑魚と戦い、ブレスなどで腕力を99にした状態で技を使い、最後に退却することでその分身技の性質を利用しています。 しかし、これと同じ方法だと今回の制限に反します。 何しろ25戦以外のエンカウントは禁止です。 まず、栄光の杖などが手に入りません。 しかし、依存99の効果は得たい……。

では分身技の性質を利用したもう一つのやり込み、duckyさんのRTAではどうでしょうか。 こちらのやり込みでは、ビューネイ(幻影)戦にて、グゥエインとの共闘で、グゥエインの「冷気」が、体力(グゥエインの体力は99)を参照していること(グゥエイン効果)を利用し、その後は装備変更やセーブリセットをせずに一気に破壊するものまで行く、という形をとっています。 これだと、今回の制限には抵触しません。 ビューネイ以降、参照能力値が99になるような行動はできるのでしょうか。 コチラのパーティのアクションでは栄光の杖が手に入りませんので不可能です。 敵の攻撃も、99の能力を参照するような都合の良いものはありません。 結局ビューネイ(幻影)戦でグゥエイン効果を使用する以外に道はなさそうです。 ビューネイ以降、装備が変更できないのと、敵に一回も先手を取らせてはいけないというのが非常に辛いです。 しかし、そうでもしなければ真・破壊するものを倒すことは叶いません。

多分誰もが思いつくのでしょうが、誰も実践しませんでした。 オリジナリティーは?と聞かれるとちょっと厳しい気がしますが、お二人の戦術を組み合わせ、さらに制限が辛くなった部分に対応する攻略で、お二人のやり込みとは方向性が違ってくれていればいいな、と思います(まあRTAとは最初から方向性が違いますが)。 スマートさは本当に皆無ですし。非常に泥臭い。もう少し頭が使えればいいのですが……。

そんな訳で、ビューネイ戦の前と後では、全く毛色の違うやり込みとなります。 前半は壮絶すぎる地獄の吟味。 後半は十数回の戦闘を無傷で突破する強運。 運が必要という点で本質は変わりませんが。 しかし無計画にプレイしていても現実的なレベルで成功という結果をつかむことはできません。それを可能にするまでのプロセスこそ「やり込み」だと思います。

1.3 使用するキャラクターとその能力

では具体的にはクリアに必要なキャラクターの能力はいくつなのか、どの戦闘でどのように能力値を上げればいいか、といった所を解説します。

主人公はカタリナ(分身剣)以外選べません。制限に反します。 また、開発が出来ない上に、ビューネイ戦以降セーブリセットができない(セーブならいくらでもできるのですが)ので、竜槍スマウグ(=ラウンドスライサー)を手に入れるのは困難、というか現実的には無理でしょう。 武器攻撃力が圧倒的に足りないので、それを何とか補う必要があります。

ここで既にムルムルさんの攻略との大きな違いが出てきます。 まず、ムルムルさんが「吟味が格段に楽」として使用していたツィーリン(連射)の代わりに、吟味が辛い代わりに若干攻撃力に勝るハリード(分身剣)を使用します。

さらに、「破壊するものの撃破には分身技の攻撃役は4人で十分」として、空いたポストに補助役として入れていたヤンファンを、ノーラ(ヨーヨー)に変更します。クイックタイムの先制効果が弱まり、ムーングロウなどで素早さを確保することもできなくなるので、戦闘が安定しなくなりますが、武器の火力が白銀の剣25、スクリーマー28、そして何より手斧の9と全く足りていないので、攻撃役が4人ではなく5人必要な理由もご理解頂けるかと思います。同時に、シャドウサーバントも利用します。

カタリナ(分身剣)、ハリード(分身剣)、ノーラ(ヨーヨー)が決定しました。 後はムルムルさんと同じで、WPや各技能レベルが非常に高いようせい(分身剣)、そしてJPが豊富なブラック(ヨーヨー)となります。ようせいは槍ではなく剣ですが。

では必要な能力を考えます。 WPは分身技が5、6ターン位連続で撃てれば足ります。 JPは、戦闘開始直後に行動するキャラはクイックタイムの先制効果が得られる16以上欲しいところ。 また、ダメージを補うためにシャドウサーバントを使用するキャラクターは11あれば十分です。どうせ16+10=26まで上昇させるのは不可能に近いですから。 ブラックはクイックタイムの先制効果がより長くなる32を目指すべきでしょう。 HPは、殆ど攻撃を受けないのでそこまで必要はないです。25戦のうち勝手に上がっていく量で十分でしょう。 武器レベルは限界まで上昇させる必要があります。 一戦毎の吟味が可能なのはビューネイ戦までなので、ビューネイ戦まではなるべく漏らさずに上昇させる必要があるでしょう。

とにかく、能力はあるに越したことはないです。破壊するものにたどり着いたときには、毎回能力が違いますので、臨機応変な対応をする必要があります。

能力の吟味だけでなく、技の習得や極意化、そしてそもそもの撃破の可否も絡むため、吟味の辛さは壮絶なものになります。状況再現は最大限に利用しますが、それでも使える状況が限られるため結局厳しいです。実際には上昇レベルが高くかつ倒しやすいという一部の敵を除き結構妥協しています。実際のプレイ時の最終的な主要能力は以下のようになりました。

カタリナ 剣25 WP39 JP12
ハリード 剣23 WP37 JP11
ノーラ  斧24 WP37 JP11
ようせい 剣25 WP66 JP16
ブラック 斧21 WP39 JP33

次のページからは各戦闘の具体的な経過、攻略チャートを解説します。

←前へ 前書き 戦略 B1-10 B11-15 B16-24 B25 後書き 次へ→