Chapter 2

戦術 / 戦術構築に関する思考と調査の過程

2.1 幼き日の思ひ出再び

前作「ロマサガ3 ノーセーブノーダメージノールック+α」でも戦術紹介にあたるページで触れましたが、膨大な選択肢の中からどの道を選んでいくかという問いに対しての有効な解法としては、迷路を逆から解くように、ラスボス戦で必要なものは何かを考え、その何かを得るために必要なものは何かを考え……という作業を繰り返して始点を定めるという手段が挙げられます。

勿論「必要なもの」を満たすものが複数ある(例えば「シャドウサーバント」か「塔」どちらかがあればクリアできる、など)場合は、定めるべき始点を複数仮想することになってしまう(=スタート方向に向かって分岐してしまう)わけですが、それでもシナリオ開始時の無限とも言える選択肢を一つ一つ調べるよりは遥かに効率的です。

冗長になって何が言いたいか微妙にわからなくなってきましたが、要はシナリオの最後の方から攻略していく、ということです。

2.2 でもゴールが7通り

ということでまずはラスボスを撃破するのに必要なのは何かを考えることから始めたい所ですが、このサガフロンティアというゲームにはなんとラスボスがシナリオの数、即ち7体もいます。驚いた。
目指すべきエンディングからいきなり7通りに分岐してしまう訳ですが、流石に全てのシナリオを考慮するのは無理です。ですが、攻略に使えるシナリオ自ずと絞られてきます。

まず「ノーセーブノーダメージ」が明らかに無理そうなシナリオを消していきます。確実に防ぐことができない上に、倒すまでには確実に喰らう凶悪な行動であるカーネイジを使ってくるジェノサイドハートの存在から、T260G編はクリア不可能。まさにNO FUTUREです。 次にオープニングでダメージを確実に喰らうイベントがあるレッド編も無理です。オープニングでのダメージはダメージに含まないことにしても固定戦闘が多すぎて序盤が無理です。同様に固定戦闘が多いエミリア編、そしてアセルス編、クーン編は無理そうです。 残ったのは自由度が最も高い部類であるリュート編とブルー編です。この時点ではまだ「完全ひとり」ではなく「ひとり」という条件下で戦術を練っていたので、クリアできるかどうかも「ひとり」という条件で考えることにします。

2.3 反則技も再び

さて、ブルー編とリュート編のラスボスについて考えるのですが、当然HPが非常に高く、普通の方法では1ターンで倒しきるなんてことは不可能です。かといって全ての攻撃を無効化するのも無理です。できないことはないですが、全てのターンで先手を確実にとって硝子の盾やシャドウサーバント、魔術師といった確実な防御手段を使う必要があります。しかし相手のQUIはかなり高いので事実上不可能です。
ちなみに、単純に防御力を上げて防ぎきるという方法は使えません。一部の属性防御を除き、どんなに攻撃力が低い攻撃を喰らおうが、どんなに防御力が高かろうが乱数によって数ダメージを喰らいます。

ということで、今回も所謂「反則技」たるものを使います。ファストトリックによって確実に先制して複数回連続行動が可能であるという非常に凶悪な効果を誇るオーヴァドライブです。効果が切れるとJPなどが0になってしまうため、オーヴァ後の連続行動中に倒しきる必要がありますが。

リュート編ラスボスであるグレートモンドには、一度にどんなダメージを与えても倒しきることはできません。というのもモンドは形態変化をするタイプの敵であり、各形態のHPが独立しているからです。 そこで一度に倒しきるのではなく、その都度先制して倒すということを考えます。真っ先に思いつくのがオーヴァドライブ+停滞のルーンです。これでオーヴァ後にJPが0になるため攻撃が一回きりになってしまう問題を解決できますので、何とかなりそうです。停滞状態はターン終了時に切れるので、一人での戦闘ならダメージを受ける事はないです。

一方ブルー編では、シナリオ進行上確実にオーヴァドライブを習得することになりますので、然程気にする必要はありません。 戦術も同じです。こちらは形態変化をさせずに倒すことも可能ですので、より楽ですが。

2.4 狩場をください

オーヴァドライブを用いラスボスに一度も行動させることなく葬り去るという指針は立ちましたが、どのようにオーヴァドライブを習得すれば良いのでしょうか。

リュート編では時の君を仲間にする他ありません。その為に陽術or陰術、そして印術or秘術の資質のイベントの2つをこなす必要があります。

陽術や陰術は簡単なので置いておくとして、時の君に停滞のルーンを使わせるためには印術の資質のイベントを残しておく、つまり秘術のイベントを行う必要があり、これには強敵・朱雀の撃破が必要になります。この時先制しつつ一度に6000以上のダメージを与える手段が必要になります。 考えられる攻撃方法は、JPを高めた塔や、DSC、マグニファイ等でしょう。まあ習得できる気は微塵もしないのですが、一応調べてみます。

まず、無限に復活して戦える敵で、固定敵(敵ランクの上昇に関与しない)が必要です。 時間妖魔のリージョンに行けば山ほどいますが、その時間妖魔のリージョンに行くためにこんな厄介なものを探しているのです。当然考えません。 で、そんな都合の良い敵はあんまり……というより全くいません。 シュライク武王の古墳にて占いの結果で復活する宝箱の敵とかがいますけど、普通に勝てないので無理です。そもそも時間かかりすぎです。同様の理由でシンロウ遺跡のガイアトードとかも復活するかもしれませんが時間的に非現実的です。調査すらしてません。あとはワカツの固定ゴーストなどですが、これも勝てません。

早くもリュート編でのクリアは絶望的になりました。普段ならここで諦めずに調査してみたり、時間を気にせず稼ぎを行ってみたりするところですが、今回はスタートがもう一つあるので、そちらを試してみます。

2.5 術士改め銃士ブルー

ブルー編では、時の君を倒すか、ルージュを倒すことでオーヴァドライブの習得ができます。シナリオ進行上絶対に習得することになります。 ルージュを倒して習得する場合は、時の君を倒さずに麒麟を倒すことになりますので、要は先に時術か空術のどちらをとるかということになります。 どちらにしろルージュとは戦うことになるので、先に対策を立てておきます。

ルージュは基本的にこちらと同じ能力値を持っています。ただしWPは0、そして装備品、特に武器が異なります(ルージュは武器を使用しない)。また術については魔術を除きブルーが資質を得た術とは対立する術を習得しています。

時の君を倒し、オーヴァドライブを習得した場合は非常に簡単に事が進みます。1ターン目にオーヴァドライブを使用し、カオスストリームを連発します。すると時術空間になり、JPが全快するので、以降もオーヴァドライブとカオスストリームを連発し、相手には一回も行動させずにあっさりと倒せます。

では空術を取った場合はどうかといいますと、これはちょっと頭を使う必要があります。QUIは互角、無効化できない行動も多く使うので、ファストトリック以外の行動はできません。 しかしオーヴァドライブ以外の術でマトモにファストトリックの意味がある術はありません。ハイドビハインドだの金貨だのといったものしかなく、使い物になりません。 では術以外ではどうか、といいますと銃技が有用で、早撃ちを装備することで全ての銃技をファストトリックにできます。WIL依存のものが多いため、術士であるブルーにもぴったりです。それ以外の攻撃はファストトリックのもの自体少ないですし、あまり有用ではありません。 宿命の術対決なのに銃をバンバンぶっ放すというのにはいささか抵抗がありますが、やってみるとちゃんとダメージは通りますし、簡単に倒せてしまうので、やはり銃技を使うのが良さそうです。 ちなみに、相手が使ってくるであろうファストトリックの行動は、こちらの資質の取得状況によりますが、やはり金貨など無害なものばかりです。唯一恐ろしいのはオーヴァドライブですが、使用率は低い上に、当然こちらもファストトリックで行動する訳ですから、その低い使用率のさらに半分のリスクで済みます。防ぐ手段もサイキックプリズンを除き存在しないので、無視します。

さて、時術、空術どちらを習得してもルージュは倒せることが示せました。次項ではその時術/空術をどうやって習得するかを解説します。

2.6 むしろ相手が反則的

前述の通り、時術を習得する場合は時の君を、空術を習得する場合は麒麟を倒す必要があります。また、それらのボスを倒した直後にルージュとの戦闘になるので、麒麟を倒す場合は前もって必要な銃技も習得しておく必要があります。

時の君を倒すには、まず彼が1ターン目に確実に使用する硝子の盾を打ち破る必要があります。こいつは非常に凶悪な防御手段で、殆ど全ての攻撃を防いでしまいます。物理攻撃に対してはブロークングラスによる反撃のオマケ付きです。 硝子の盾に対抗するには、先手を取って攻撃する速攻戦術を用いるか、先手を取ってサイキックプリズンをかけることで硝子の盾が時の君にかかるのを防ぐもしくは反撃の無い攻撃で直接解除するしかありません。

しかし前者の方法では、仮に先手が取れて攻撃ができたとしても、それとは無関係にそのターンに硝子の盾を使われるので、次のターンでは先制しようがしまいが結局解除するハメになってしまいます。 相手の攻撃は無効化出来ない上に、保護のルーン等で隠れても全体攻撃のカオスストリームを使われて終了というオチが待っているだけなので、この方法の場合は先制1ターンキルするしか無いのですが、12000ものダメージを一気に与える必要があります。当然ながらこれは不可能です。DSCとかを習得すれば何とかなる気がしないでもないですが、多くの技を習得し、STRやQUIを限界まで成長させることを考えるとちょっと現実的じゃないです。一応時間妖魔のリージョンまで来ているのが前提なので、習得が不可能という訳ではありませんが・・・。さらに装備重量が重くなるとQUI99でも60程度の相手に先制されることは稀にあるので、そこまでやって失敗というのも痛すぎると判断し、この方法で時の君を倒すことはできないという結論になりました。

後者の方法では、その後のターン全てで先制してシャドウサーバント等の絶対的な防御手段を使えば生き残れます。流砂など、無効化できる攻撃が来たら次のターンに攻撃、またシャドウを使う……という手段で一見勝てそうに見えます。 硝子の盾は消費JP5(達人で4)なので、かなりローコストですが、硝子の盾の属する妖術と、サイキックプリズンの属する魔術は対立しているのでそもそも習得できないです。魔術師も秘術に属しているので、印術イベントをこなしてしまった後なので習得すらできません。よってシャドウサーバントを使うしかありませんが、これのコストはJP9。達人でも8と、高すぎです。攻撃できる前にJPが枯渇してしまいます。

以上より時の君を倒すのは絶望的だと判断しました。麒麟を倒す方法を考えます。

2.7 ついに麒麟の放つライトシフトの存在意義を解明

麒麟は、時の君と同じように1ターン目の行動が固定です。ただし、麒麟の場合は、凶悪な硝子の盾ではなく、全くの無害な行動であるライトシフトを使用してきます。意味ないのに。 つまり、時の君の時に比べて、単純に1ターン(以上)余裕が生まれます。これは大きいです。 では具体的にはどうやって倒すのかを考えます。

1ターン余裕が生まれるということは、2回の行動が許される、つまり速攻型の戦術で与えるべきダメージが半分で良いことを意味します。実際は光合成の効果で800弱回復されてしまいますが、それを考えてもHP12000の半分、6000程のダメージを与える手段を用意すれば力押しでも勝てます。

ただし、麒麟のQUIは71と非常に高く、QUI99のキャラクターでも装備重量によっては先制されます。よってファストトリックであることが求められるので、やはり早撃ち付きの銃技が必要でしょう。銃は入手できる中で最強の威力であるリーサルドラグーンx2を用います。 そして銃技で6000ダメージを一気に与えられるかというと、残念ながら不可能です。STRを上げれば最強の威力を誇る二丁拳銃付き十字砲火をもってしても、5500前後が限界です。

しかし、1ターン目は先手を取らなくても問題ないので、このターンに補助術を使うこともできます。与えるダメージを増やす術を使うことを考えます。 しかし、勝利のルーンなど、単純に能力を上げるだけではダメです。なぜなら次のターンには当然攻撃される訳ですからその前にファストトリックで倒す必要があり、その為には補助術でダメージを2倍以上にまで上昇させなければなりません。これはステータスや武器性能の上昇では絶対に不可能です。

そこでシャドウサーバントを用います。単純に考えてダメージが2倍になりますが、それでは普通に2回攻撃したのと同じで、目標のダメージには届かない気もします。しかしシャドウサーバントの効果を考えてみると、実際はそれ以上の効果があります。 散々書きましたが、シャドウサーバントには大抵の攻撃を確実に防いでしまう効果があります。つまり、2ターン目には、ファストトリックで2回分の攻撃をした後、敵の攻撃はシャドウサーバントをかき消すに留まり、ノーダメージとなります。3ターン目は、シャドウサーバントこそないものの、ファストトリックで1回分の攻撃ができます。合計3回分の攻撃が可能です。 12000/3=4000なので、こちらの攻撃一回あたり4000ダメージを与えればよいことになります。これはSTRをそれなりに鍛えた状態で放つ二丁拳銃付き十字砲火を用いれば十分に可能です。

麒麟が意味もなく1ターン目にライトシフトを使用するのはノーセーブノーダメージ完全ひとりでも勝利できるようにするためだったのです。 ちなみに他の銃技はどうかというと、これは実は無理です。跳弾は何となく強そうなイメージがありますが、WILを99まで上昇させても、クリティカルが出なかった場合は3400程度のダメージしか与えられません。2回連続でクリティカルを失敗しない限りはギリギリ撃破できるのですが、調査の過程で2回連続でクリティカルが発生しないことが多々あったので使用できません。

技としては二丁拳銃、早撃ち、十字砲火、術はシャドウサーバント、そして高いSTRがあれば麒麟を倒せることがわかりました。 次項ではそれらを得る算段を示します。

2.8 前代未聞デスポーカー狩り

麒麟に勝つための能力値や技/術を安全に得るには、やはり確実にノーダメージで倒せること、何度でも戦える固定敵であること、敵ランクが上昇しないことが重要です。 印術イベント等をまだ消化していない段階では、リュート編と同じく、その条件に合う敵は殆どいない(次項にて解説します)のですが、時術や空術以外の資質集めが終わると、時間妖魔のリージョンで多くの固定敵と戦えるようになりますので、実はそう難しくありません。とは言っても、考えなしに稼げる程楽ではありませんが。 強い技などを閃くのにも、能力値を高めるのにも、戦う相手は強い方が良いです。玄武やスフィンクスといった高ランクの敵が単体で出現するので、これらを狩ることになります。

しかし、初期状態で勝利することは不可能です。まず素のQUIが低すぎますし、ファストトリックで有用な技も習得していません。そこで、まずはもう少し弱くて、確実にノーダメージで勝てる敵と戦うことで玄武などに勝てる程度の能力にします。 それに適切な敵は、この項の初めに述べたとおりです。ここでは、デスポーカーx5を狩ります。 なぜデスポーカーかというと、装備品で補正がかかった状態(QUI51)なら初期能力でも確実に先手が取れること、初期能力でもフラッシュファイアを使えば確実に一掃できることの二点が挙げられます。 このデスポーカーを狩り続け、早撃ちを習得し、ある程度素の能力を上げます。その後、玄武やスフィンクスなどランクの高い敵で上位の技を閃いたり、能力を効率よく上げたりすることで麒麟と渡り合える程度に鍛え上げます。

時間妖魔のリージョンに来さえすれば問題なくキャラクターを鍛えることができるのはわかりましたが、当然時間妖魔のリージョンに来るのには時術・空術以外の資質のイベントをする必要があります。次項ではそれらのイベントについて解説します。

2.9 シナリオ進行も反則まみれ

さて、まず陽術か陰術か、そして印術か秘術かを決めます。

シャドウサーバントが使いたいので当然陰術です。稼ぎ中などには陽術のフラッシュファイアを使いまくりますが、これは資質が不要な術ですので問題ありません。陰術のイベントにはシャドウというボスがいますが、とりあえず明らかにボスが厳しそうな印術・秘術の方からボス攻略を考えます。

そして、印術か秘術かについてですが、これもすぐに決まります。どちらでも良いのですが、やはりリュート編と同様に、朱雀を倒せないので秘術はありえません。 では印術はどうかというと、これも厳しそうに見えます。 何といってもQUIやHPが高いニドヘッグが鬼門です。正直言って朱雀と大差ありません。 しかしブルー編では、リージョン移動を用いることでルーン取得のイベントは本来4つこなさなければいけないところが1つで済むのです。つまりニドヘッグとは戦う必要が無いのです。 また、進行上タンザーでのスライム軍団戦を行うこともできないので、実質的には武王の古墳のボスであるスカルラドンか、自然洞窟のボスであるクエイカーワーム+ワームブルードx3と戦うことになります。 どちらもニドヘッグに比べるとかなりQUIが低く、HPも倒せない程高いということはありません。それでは、どちらを倒すべきかを考えていきます。

まずスカルラドンです。HPは5000と低いため、一撃で倒せるような気がしなくもないですがそれは罠です。また、1ターン目は何もしない(ただしこちらの攻撃も命中しない)ため、このターンに補助術を使用できるなど、戦術の構築が容易です。 さて、一撃で倒す場合は、まあ当然5000以上のダメージを与える必要がある訳ですが、初めに書いておきますとこれは不可能です。「完全ひとり」ではなく、「ひとり」という条件下では、序盤からT260などのメカを装備品でSTRなどを99にすることも可能ですが、2.4で書いたとおり序盤に強力なプログラムを習得することはできません。勿論、メカだけでなくヒューマンや妖魔の強化も困難です。 以上より、戦闘のよる強化をあてにせず、購入が可能な術のみを用い、持久戦に持ち込んで敵を倒すことになります。これは後に述べるクエイカーワーム戦も同様です。 持久戦ということで、身を守ることを第一に考えます。スカルラドンの攻撃で、装備品によって防げるのは足元属性を持つ尾撃くらいです。他の攻撃は属性防御以外の手段で防ぐ必要があります。 絶対的な防御手段として適当であると思われるシャドウサーバントや魔術師は戦闘をこなさないと習得できませんし、硝子の盾もこの時点ではファシナトゥールへ行けないので購入できません。 次に効果的な防御手段なのは保護のルーンや隠行など、隠れる効果を持つ術です。これにより単体攻撃は防げる・・・というより使われなくなります。1ターン目に隠れることで、以降のターンは単体攻撃は防げます。隠れる→攻撃→隠れる・・・をループすることで倒せるような気もします。 しかし、全体攻撃として暴走を使用してくるので、隠れていようが無駄で、普通にダメージを喰らいます。 他に良い防御手段も無いので、スカルラドンに勝つのは無理そうです。

2.10 違和感を覚えること自体がそもそも異常

次にクエイカーワーム+ワームブルードx3戦を考えます。

取り巻きのワームブルード達は、ファストトリックでクエイカーワームをSTRやQUIを上昇させるアシストで補助したり、マジカルヒールで回復させたりと、かなり邪魔です。 クエイカーワームの方も、かなり多彩な攻撃手段を持っています。ただし、全体攻撃の衝撃波や地震などは、それぞれ音波、足元の属性を持っているので、装備品で防げます。よって隠れていれば負けることはありません。 負けることはない、と言っても、当然ながら攻撃しないと勝てません。しかし、がむしゃらに攻撃してみた所で、すぐに回復されてしまいますし、次に隠れる時に先制されてしまうとダメージを受けます。アシストによってQUIがどんどん上がるので先制される確率も上がっていきます。

では、思い切って攻撃せずにずっと隠れているというのはどうでしょうか? こちらが隠れていようがいまいが、ワームブルードはそれに関係なくクエイカーワームに補助技を使用します。そして、そのまま十数ターンが過ぎると、WPが尽きたのか、何も使用しなくなりました。 この状態になると、なぜかワームブルードは何も行動しなくなります。通常の攻撃も使用しないので、いないのと同じです。 前述の通りクエイカーワームの全体攻撃は全て装備品で防げるので、隠れる→攻撃→隠れる……のループで倒せてしまえそうです。

しかし、実際にやってみると、隠れようとしたターンに先手を取られることがあり、うまくいきません。装備品によって得られるQUIボーナスは翼のお守り(5)x2+飛天の鎧(10)=15だけです。初期状態のブルーのQUIは19なので、合計34です。ちなみに残りの防具欄一つは振動波を防ぐための精霊銀のピアスを装備します。 一方のクエイカーワームのQUIは25。その差は僅か9であり、先手を取られることがあるのも頷けます。 しかし、これ以上装備によってQUIを上げることはできません。このままではクエイカーワームに勝てなくなってしまいます。

ここで唐突に、調査の時に感じたある「違和感」の話をしましょう。あまりに脈絡なさすぎで文章力の無さが露呈しますね。 で、何の違和感かといいますと、QUIに行動順序が比例するのかどうか怪しい、という違和感です。 百回単位の調査にて、QUI5のガイアトードに、QUI39のブルーが先手を取られることはありませんでしたが、QUI50のメカドビー百式にQUI99のT260がまれに先手を取られる、ということがありました。 全く明確な根拠はないのですが、「QUIが低い段階では、行動順序がQUIの差に強く依存するが、QUIが高くなるとそれほどでもなくなり、装備重量などその他の要因に影響されやすくなる」のではないかという推論が可能です。 この話が一体何に繋がるのかというと、QUIが然程高くなく、かつ僅かしか違わないブルーとクエイカーワーム戦でも、この推論に基づいた戦略が使えるのではないか、ということです。 実際、クエイカーワームとブルーのQUIの差はたった9ですが、先手を取られることはかなり少ないのです。

ここで言いたいのは、ここでブルーのQUIがちょっとでも上がれば、クエイカーワームに先制されることは劇的に少なくなるのではないかということです。 しかし、単純に素のQUIを上昇させるのは無謀です。散々書いた通り、能力値をこの段階で上昇させることはかなり厳しいのです。 そこで、その「ちょっと」を補うのに、装備品でも素の能力値でもなく、戦闘中の行動を使用します。 QUIを上げる技はどれも本当に「ちょっと」しか効果がありませんので、あまり使われることは無いですが、今はその「ちょっと」が必要なのです。

該当する技は、ワームブルードが使うアシストを初め、魂のルーン、麒麟の歌、ぽんぽこ・・と、習得が難しかったりモンスター能力だったりするので、どれも使えません。 が、技や術以外にも目を向けてみると、戦闘中に使用できるアイテムとしてラッキーコインなんてものがあったりします。 必要な分だけ買ってバックパックを装備するだけで、WPやJPの消費なく使えるのでかなり有用です。

隠れている時に使い、直後に攻撃、隠れる、そしてまたラッキーコイン……というルーチンで戦えば、安全に倒すことができます。 ちなみに、ラッキーコインは重ねがけが有効です。徐々に効果が下がっていきますが、何回も使うので効果が累積してより安全になっていきます。隠れてから何度も使わなくても大丈夫ということです。

こうしてクエイカーワームを倒す方法が確立できました。 あとは陰術のイベントを攻略できれば、クリアに必要な道筋が全て示せたことになります。

2.11 ルージュよりもブルーのシャドウの方が強いとは是如何に

さて、陰術のイベントですが、ボス戦が一回あります。 パーティと全く同じ能力・技術を持つシャドウです。 HPも同じなので一発攻撃を当てれば勝てます。しかし・・・・ QUIが同じなので確実に先制するにはファストトリックしかなく、しかも技や術も同じなので相手にファストトリックの技を使われたらそこで終了です。 色々考えましたが、ここでの勝率を100%にすることは不可能だという結論を下しました。ギリギリまで勝率を上げて突破します。まあ、印術イベントの後にしろ前にしろ、ゲーム開始から然程時間が経っていないので、やり直しもそこまで苦痛ではないはずです。

使われても無害な術(特に補助術)を購入・装備し、回復アイテムを装備し、攻撃術を1つだけ(ここではインプロージョン)装備し、戦闘に入ったらその攻撃術を使うだけ、という極めてシンプルな戦術となります。まあ、とれる行動自体が少ないですし。 無害な術としてはハイドビハインド、勝利/解放/活力のルーン、サイコアーマーを用います。 これで勝率は9割程度なはずですが、体感ではもっと低いように思います。

さて、印術イベントの後にやるか前に済ますかという問題ですが、当然ながら失敗した時のタイムロスを考え先にやっておく方が良いのですが、実際にそう進めてみるとうまくいきません。 陰術イベントを済ませ、印術イベントをこなすために自然洞窟へ行ってクエイカーワームと戦おうとすると、クエイカーワームは出現せずにワームブルード数体のみが出現します。 マジカルヒール等の補助技を一切使わずに普通に攻撃してきます。勝とうと思えば勝てますが、勝った所でルーンは手に入りません。 一方陰術イベントを印術イベントの後にするのは問題ありません。よくわかりませんね。 まあ結果としては印術イベントを先に済ませなければいけないということです。印術イベントを済ませてシャドウの所まで辿り着くまでに1時間弱かかりますが、流石に2、3回やって成功しないということも無いでしょうし、そもそも攻略全体にかかる時間が他のノーセーブ系攻略に比べ短いので、この勝率で強引に突破することにします。

以上でゲーム開始からクリアまでの道程が全て示せたことになります。この大枠を元に、次頁では実際に攻略する際の最適な進行チャートを作っていきます。

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