Chapter 2

戦術編 / 個別具体的な戦闘とルート選択の検討

2.1 初期イベント~合成サイコ入手準備まで

竜人障壁を利用するため、主人公はアルベルト、グレイ、ジャミルに限られます。この中で初期イベントの固定戦闘でダメージが不可避であるアルベルトは除外されます。ジャミルも初期イベントがありますが、ノーダメージで突破する戦術を用意するのはそう難しくありません。といっても奴隷解放→女装ルートで進み奴隷商人をただ殴り倒し、ウハンジガードも仲間を増やして武器で殴るだけです。この時、ダークが仲間にいると安定度が大幅に増すため、ダークOPの条件は満たす必要があるでしょう。グレイの場合、初期イベントは無いも同じですので何も問題はありません。最初から財宝が発掘できるため資金的にかなり有利なのが魅力です。その気になればノーセーブノーダメージとしては例外的に財宝の中身吟味もできます。とにかく、現時点ではグレイかジャミルでスタートできるため、以降の展開を考慮して一方を選ぶことになります。

なお、OP条件などゲーム開始前のクリアデータについて言及しましたが、主人公で竜人障壁を利用するため竜人の認定を受けている必要があるのは当然として、バルハルマラソン完走やミイラ商人二回バグなどでジュエル入手回数を極限まで増やしておくことが望ましいです。一方で周回数が増えると敵のHPが増え、特に雑魚戦の安定度低下につながるため、1回クリア程度にとどめておいた方が良さそうです。今回はミイラ商人二回バグのためにジャミル主人公のクリアデータ(ジュエル取得81回)を使いましたが、アルベルト主人公だとイナーシーの嵐バグでさらに多くジュエルを取得できることに後で気付きました。ただ、イナーシーの嵐バグのことについてよく調べていないので真偽のほどがわからず、また仮にそれが本当だとしても差は1回、つまり本攻略における周回上でのジュエル数たったの2×(本攻略でのイベントクリア回数=20もいかない)の差に過ぎないので、無視しました。

初期イベントを終えたら、ある程度序盤のイベントを消化しにかかりますが、どのイベントもボスの撃破が必須であり、序盤と言えど無策では厳しいです。ここでは合成サイコブラストを採用します。高火力低コストであり、アレンジを変えれば後々の狩りでも使える、などが理由です。ジャミルは初期イベントがウハンジの秘密であるため既に報酬を持った状態で開始でき、これとミイラ商人でのジュエル獲得を合わせればジャミルの竜人レベルを上げつつ、他のメンバーにローザリア術法士Lv2+気Lv3+魔Lv3で合成サイコブラスト(サイコブラスト+覚醒印+生命波動)を使わせる準備をすることができます。また、イベント報酬や各地の宝箱を合わせればこの合成サイコブラストに必要な術も購入できる程度の金は手に入ります。グレイの場合、戦闘をしないで消化できる序盤のイベントがミイラ商人だけで、これだけでは合成サイコブラストを使うことはできません。金銭的負担というよりもジュエルが足りないためです。ステルス忍び足連打で稼ぐのはちょっと面倒なので、合成サイコブラストを使わずにこなせるイベントを選びます。「開拓村の誘拐事件」「ウハンジの秘密」「変死事件発生」「ゴールドマイン襲撃事件」「バルハルモンスター」「ゲッコ族」あたりから選ぶことになるでしょう。翼の槍二本などの事情から、四天王関連はまだ触りません。ここでは「ウハンジの秘密」を選ぶことにします。マップアビリティが揃っていない段階でダンジョンに潜るのは無謀であり、またやはり素早さや資金の関係で最大でも2体程度の敵を相手にするのが限界というのが主な理由です。ジャミル編と異なり女装ができないため神殿兵×2と戦うことになりますが、竜人障壁を発動し、装備品で知力と素早さを上げてブラッドフリーズを放てばギリギリ勝てます。BPや能力値の関係でジャミルと名無しの魔術師をこのブラッドフリーズ役にします。これで主人公がジャミルでもグレイでもほぼ同じ条件で初期イベントから合成サイコブラストの準備までを終えたことになります。

2.2 合成サイコ入手に伴うパーティの選定

さて、合成サイコブラストを使用するための資金もジュエルも手に入りました。主人公のクラスは竜人で固定なので、誰か他のキャラに使わせることになります。ジャミル主人公の場合は初期BPの関係でホークを選びます。BPだけ見れば名無しキャラでもよさそうですが、ロザ術には将来的にはクイックタイムを使わせることを考えると、LPの低い名無しキャラは採用できません。グレイ主人公の場合はホークかジャミルを選べます。しかし、グレイのクラス特性転移は後列のキャラで発動するため、ウコムの鉾にせよ水竜剣にせよ速度効果が小さくなってしまい、このままだと最終的な素早さの負担が増えてしまう(しもべ狩りの回数がかなり増えるが、これは1.9節で言及した通り海底神殿攻略の失敗に繋がる恐れがある)ため、中列対象のジャミルを新たに竜人にする必要があります。ということでグレイの場合もホークをロザ術役に任命することになります。

合成サイコブラストを手に入れたら、序盤のイベントを消化していきます。この段階でのチェーンバトルは多くの場合攻略失敗を意味するので、あまり狭くて敵が多いダンジョンに潜ることはできません。前節で挙げた開拓村の誘拐事件~ゲッコ族あたりを消化しますが、バルハルモンスターは無理でしょう。南の洞窟段階1はいくらなんでも狭すぎます。適宜雑魚敵と戦ってバトルポイントを稼ぎつつ、進行度15%を目指します。進行度が上がらないようならば、四天王のお使いの依頼受注を開始していきます。

なお、主人公、ホーク、および前章でも言及したテオドール以外の2人の仲間ですが、主人公と合わせて3人のうち2人は後のシムラクラム役(かける側)および聖杯役(雪だるまにされる側)になり、余ったキャラがアタッカーになります。いずれの役柄もテオドール(初期BP60%)の時のような厳しい縛りはないので、アタッカーは攻撃に必要な能力が伸びやすければそれでよく、シムラクラム役ならば初期BPが50%であれば誰でも良く、聖杯役はどうせシムラクラムをかけられるため能力は関係なくなり本当に誰でも良いといった形になります。結論から先に言えば、主人公以外には、シムラクラム役にパトリックを、聖杯役にダークを採用します。聖杯役がダークである理由は単純で、放っておいても有用なクラス・スキルレベルが上昇するからです。シムラクラム役がパトリックである理由は、BP50%の中で必要な能力値が伸びやすいなどの理由はありますが、主人公の選定にも関わることなので詳しくは後述します。

2.3 実は序盤の壁 テオドール連れ回し

進行度15%になったら、テオドール連れ回しをします。ミルザブールでモブから砦跡の地名を聞き、パブの出入りを繰り返して妖精の森を騎士団領に出し、砦跡に入ってテオドールとラファエルを仲間にし、妖精の森に入ってからすぐ出て、騎士団領やバルハラント以外に出たらそこからリガウ島を目指し、ジェルトンに着いたらメルビル行きの船に乗ることで連れ回し完了です。騎士団領やバルハラントに出てしまうと連れ回し失敗なので、ここまでにシフ(バルハラントと騎士団領の地図を所持)を仲間にしてはいけません。その上でできるだけ多くの町を出現させておきます。失敗すると1.5~2時間程度のロスですが、こればかりはどうにもなりません。テオドールには後々クイックタイムを使ってもらうので、最初からロザ術にしてやはり合成サイコブラストを使わせます。初期BPが格段に高いため覚醒印をアレンジに加える必要はなく、代わりに威力が高く安価なサイコブラスト+スペルエンハンス+生命波動というレシピを使います。

2.4 殺してでも うばいと……れない

既に前々節で開始した四天王のお使いは疾風の靴を手に入れるのが目的です。アイテム代替バグを使えば交換アイテムとして火神防御輪を手に入れる必要はありませんが、火神防御輪の代替には弓技のスリーピートが必要になり、閃き難度の点から言ってこれを用意することは現実的には不可能です。いわゆる閃き道場としてこの段階で使えるのは四天王やゴーストシップなどですが、ノーダメージで100%スリーピートを習得できるような都合の良い相手はいません。従って通常通りアイスソードを調達してフレイムタイラントに捧げて火神防御輪を手に入れ、これをタイニィフェザーに渡すことになります。

問題はアイスソードの入手経路です。序盤なので巨人の里は使えず、以下の4通りに限られます。

  • アイスソードを売り切れさせた後、ガラハドを殺害する
  • アイスソードを売り切れさせた後、ガラハドを仲間にする
  • 所持金20000金未満でアルツールの武器屋に話しかけ、所持品を売り20000金工面しアイスソードを購入する
  • ガラハドを仲間にした状態でアルツールの武器屋に話しかけ、アイスソードを購入する

ミンサガのリメイク元であるロマサガ1でのノーセーブノーダメ―ジクリア(→にゅすけさんによる)ではガラハドは殺害されてしまいます。本攻略でもそれに倣いたかった(後述するように三地点では冥府に行きたいという事情もある)のですが、今作のガラハドは敵対すると普通に強いため、残念ながら1番目は使えません。竜人障壁の力を以てしても、ステータス差が大きすぎて先制ができず、勝ち目はありません。どうにかしてトパーズ(風術無効)を取ってきて開幕の吹雪を無効化したところで、その戦術を選択した時点で主人公ソロということなので、竜人のクラス特性の関係で火力が足りず1ターンキルは不可能で、2ターン目は1ターン目のTモード効果がない限り先手は取れず、Tモード効果があったところで今度は通算での火力が足りず、とにかく勝てません。

2番目は最も手軽な方法で、タダでアイスソードを手に入れられる上、悲しそうな顔をするガラハドという小イベントのオマケ付です。

3、4番目では20000金を自前で負担する必要がありますが、その代わり2本以上の購入が可能です。とは言え、資金的な余裕は全くないため素直に二番目のようにアイスソードを持ったガラハドを仲間にしてフレイムタイラントのところに連れていくことになります。

2.5 序~中盤を一気に消化

四天王のお使いイベントが終わったらそのまま翼の槍を手に入れるため再びスカーブ山に登ることになります。種族調整は面倒ですが、ホークとテオドールの合成サイコブラストがあれば負けることはありません。ただし、チェーンバトルにだけは注意します。「注意します」と言っても、調整のために積極的に利用するケースもありますし、気を付けたところでどうにもならない瞬間(例:スカーブ山8合目のマップなど、先が見えない場所をクライミングで上った先での不可抗力的衝突)はありますので、そこは神に祈るなり運命を信じるなりして対応(?)します。

ここで翼の槍を二本手に入れますが、二回の種族調整を連続して一気にやってしまうと間のイベントが消滅してしまったり後でこなしにくくなったりしますので、適宜ローザリアから出てイベントを消化するかフラグを建てておきます。残しておくと後々面倒になったりイベントが消滅したりしてしまう「ニンフ像」、「ルーイの護衛」、「古文書」あたりをこなします。有用な装備が手に入る「オウルの呼び声」も、古文書と合わせて片付けてしまいます。その他後からでもこなせるものは進行度が上がってからやった方が獲得ジュエルがお得なので残しておきます。なお、「ネビルの依頼」はモニカから話を聞くところまで進めて放置します。

2.6 ひたすら稼ぎ戦闘

種族調整等諸々が終わったら、進行度45~55%程度になっているはずです。そろそろカタコームに突入する頃合いですが、その前にコンスタンツ誘拐をクリアすることで、この時の獲得ジュエルから現在のバトルポイントを最大17ポイントの誤差という精度で求めることができます(獲得ジュエル=100+[バトルポイント/17.92]+ジュエル取得回数*2という計算式で、バトルポイント/17.92が整数に切り捨てられるため)。そこから目標の進行度に達するまでのカタコームにおける戦闘回数を算出し、ひたすら戦います。なお、コンスタンツ誘拐のボスはオーガ×2+ゴブリンメイジャン×2ですが合成火の鳥を炎のロッドで放てばそれで勝利です。苦戦する要素はありません。

カタコームでの戦闘は、詳しくは2.10節で述べますが、ロザ術二人について、1人が素早さ37以上、もう1人が素早さ32以上という条件を満たし、サイコブラストのアレンジをBPに合わせて生命波動+覚醒印→スペルエンハンス+生命波動→火の鳥+スペルエンハンスと変えていくことで最初から最後まで対応できます。これらはいずれも不死特効で威力も高いアレンジのため、1発で倒せることも少なくないです。

さて、「目標の進行度に達するまで」という表現をわざわざ用いたのには理由があります。ジャミル主人公の場合は特に気にせずヤシ村壊滅回避(95%以上)まで戦っていればそれで良いのですが、グレイの場合実はそうもいきません。というのも、2.2節で述べた通り、ジャミルを竜人にする必要があり、これはそのまま海賊通報→メルビル襲撃解決が必須であることを意味しますが、海賊通報は進行度70%以上80%未満でなければできません。そのために一度カタコームから出なければいけないということです。もちろん、進行度70%まではジュエルビーストの侵攻は起こらないためカタコームで一気に稼ぐ必要もなくいちいちギユウ軍を確認しに行っても良いのですが、カタコームは一度地下道を出ると墓のギミック配置が変わるため単純に面倒臭いです。海賊を通報するための戦闘で丁度進行度が上がってしまった、ということがないようにすれば問題なく事が進むので、70%になった直後か75%になった直後を狙ってカタコームから出れば良いでしょう。海賊を通報したら再びカタコームに戻り、95%まで狩りを続けます。なお、カタコームに戻る前にネビルの依頼をクリアしておくとここでも取得ジュエル数からランクポイントが算出できますので、これを使って必要戦闘回数の概算ができます。95%未満でカタコームの外に出てしまうとヤシ村が壊滅する恐れがあります(未調査)。ここでの計算は必須とまではいきませんが、やはり海底神殿のために戦闘回数を抑える必要があるため重要です。そのために報酬が高くダンジョンが小さい割に狭いわけでもなく、ボスも弱いということで色々とお手軽なネビルの依頼を残しておくわけです。

カタコームでの狩りが終わったら、次はしもべ狩りです。カタコームの敵よりも弱く弱点(不死特効)も同じなので、同じアレンジの合成サイコブラストで難なく倒せます。必要な能力が得られるまで戦い続け、それが終わって進行度100%に到達していなかった場合はそのまま戦い続けて最後のヒミツの出現を待ちます。

2.7 甦るオブシダン譲渡

しもべ狩りで必要な能力値が得られたとして、もうやることはあまり残っていないように思われます。具体的には三地点のどれか、ウコムの鉾のために海底神殿、そしてグレイ主人公ならパイレーツコーストに到達の2つないし3つですが、実はもう一仕事残っています。それは「凍りついた城」の解決です。より正確にはオブシダンソードをサルーインに捧げに行きます。

いきなり何だ? という感じですが、これにはサルーインの行動パターンが関わっています。サルーインは速度補正のある技、つまりパーティの技で言えばハヤブサ斬りなどと同じような速度値にボーナスがつく技を一つだけ持っています。それは「サルーインソード」。第一形態限定ですが、1ターン目から高頻度で使ってきます。これを使われると、しもべ狩りで到達するような素早さとウコムの鉾による速度補正付きのクイックタイムが間に合わないことがあります。これに対し、装備品補正込みの素早さを70超まで上げ術具も水竜剣の前衛で使うくらいでやっと確実な先制が可能になります。前章で述べた通り水竜剣の入手は厳しいですし、何より素早さの負担がしもべ狩りの現実的限界ラインで、時間的にも精神的にも厳しいと言わざるを得ません。

ところで、実はオブシダンソードをサルーインに捧げた際にサルーインソードの代わりに使用してくる攻撃「オブシダンソード」には速度補正がついていません。サルーインの素の素早さは1上がりますが、速度値への寄与は微々たるものです。これにより大幅に素早さの負担が減らせ水竜剣も取らなくてすみます。サルーインを意のままに操るとまではいきませんが、大幅に行動を無力化しやすくできるという点からも、ミンサガ版「オブシダン譲渡」と言ったところでしょうか。

ちなみに、アイテム代替バグでハヤブサ斬りからオブシダンソードを代替しこれをヘイトに渡すことも当然考えたのですが、色々試したところで「城の前にヘイトが現れるがイベントが起こらず反応もしてくれない」という状況になるのみで、結局城の最深部まで行かないとダメでした。狭い通路が多く敵避けが難しいためできれば城の入口付近で代替してそのまま帰って終了ということにしたかったのですが、仕方ないので頑張ってフリーレたちを倒しに行きます。

2.8 全てを繋ぐ線の先にいる主人公とは

さて、凍った城に立ち入るには、進行度が110%に到達するか、冥府で誰かを生き返らせるかのどちらかを満たす必要があります。前者は時間的にもバトルのリスク的にも全力で遠慮したい気分なので後者について考えます。冥府と言えばガラハド、ガラハドといえば冥府というのはもはや常識ではあるものの、2.4節で述べた通りガラハドの殺害は諦めていたのでした。ガラハドが殺害できない場合、三柱神の恩寵値をイベントなどで1以上にしてからひたすら三柱陣を出すか支配地域でひたすら戦うという方法で三柱神の恩寵値を上げるわけですが、まず、前者は意外と厳しいです。南エスタミルのごろつき相手にひたすらノーダメージの技や術で三柱陣を出すというのは割とポピュラーな方法だと思いますが、今回はそもそも技を覚えること自体かなり面倒(クイックタイムで完封しつつ、BPは聖杯で補給、聖杯が切れたらホワイトアウトバグ逃走、などが最も効率的)ですし、それ以上にごろつきの攻撃をノーダメージで抑える防御力を得るためにそこそこ金がかかるのが気になります。クイックタイムを使っても良いですがいささか大げさですしコマンド入力も面倒です。いずれも時間をかければ解決できる問題ではありますが、やはり負担が大きいです。ここで手間取ると結局オールドキャッスルルートの方が早かった……ということにもなりかねません。

ところで、ジャミル主人公の場合はしもべ狩りが終わった時点で何も工夫せずに三地点の語りを聞くとオールドキャッスル行きになってしまいますが、グレイの場合なんと冥府の語りが聞けてしまいます。これは、グレイが三柱神の恩寵値を最初から50ずつ持っており、エスタミル地下(含カタコーム)の支配神にシェラハが含まれているため、支配地域でひたすら戦闘していたということに図らずもなっていたためです。ということで、主人公はグレイに決定です。ジャミル主人公でクリアできないということではないですが、ものぐさなのです、悪しからず。

グレイ主人公に決定したところで、ついでに2.2節で述べたようにシムラクラム役がパトリックになった理由を書いておきます。前述の通り初期BPが50%であれば2ターン目からシムラクラムを使えるBP水準に持って行けるため、キャラクターは問わないのですが、グレイ主人公の場合、この条件に合うのは、名無しキャラと既に他の役目のあるホーク、そして竜人にするジャミルを除けばパトリックとジャンしかいません。このうちジャンは仲間にするのがやや遅くなる上に知力の伸びが悪いため不採用となります。先ほど述べたように、今回の攻略だと技を覚えるのが面倒なので、序盤から終盤まで使うサイコブラストに限らず、主な攻撃手段として全員に術を持たせることにします。するとジャンとパトリックでは知力や精神、魅力全てで勝るパトリックが採用になるというわけです。自動的にグレイはアタッカーになります。彼には合成吹雪か剣士炎のロッド火の鳥あたりを使わせるのが妥当ですが、今回は帝国学術士の合成吹雪にします。ウコムの海底神殿では吹雪の方が火力が出ることと、炎のロッドの隊列効果が中列では活きないためアルベルトも竜人にしたくなるがジュエルが足りないというのが主な理由です。サルーイン戦含め他の戦闘だとやや吹雪が不利ですが大した差はありませんしそこまでしなくても勝てるので、個人的に精神衛生的に悪いウコムの海底神殿戦向けにチューニングします。バイゼルハイムの炎のロッドは雪だるまの自爆に使うと丁度いいでしょう。

ちなみに、オールドキャッスルルートでも進行度110%にすれば問題なく凍った城に入れるというような書き方をしてきましたが、実はこのルートは利用できません。問題になるのは、オールドキャッスルの固定敵である古城の番人です。こいつは素早さこそサルーインなどと同水準ですが、実際に戦うと竜人障壁の速度半減を平然と抜けて先制して来ます。恐らくその理由は同一ターン内の複数回行動です。確かに1回目の行動はモード履歴がAモードなので速度半減が働くのですが、その際にTモードで行動する場合、2回目の行動にはTモード効果が発生し速度値が半減せず逆にボーナスがついてしまうのでしょう。同様の現象は通常モンスターのサイクロプスでも起こり得ます(実際に調査時にありました)ので、このような理解がそう外れているとは思えません。何にせよ、グレイ主人公で冥府ルートを使うのが最適ですので、これからはそちらで考えます。

2.9 完封戦術の実際

グレイ主人公ということで、前述の通りメルビル襲撃を解決しておく必要がありますが、ウコムの海底神殿、凍った城と合わせ、しもべ狩りで十分なステータスを得てクイックタイムやシムラクラム、聖杯など必要なものを用意しておけば容易く勝てます。というか、能力を上げた後はサルーイン戦までほぼ全て同じ戦術で戦えます。今まで完封できる完封できると書いてきましたが、具体的にどのようにして完封するのかをここで示しておきます。まずは下の表をご覧ください。

テオドール ホーク ダーク パトリック グレイ
T BP A BP A A A A
1 27 Q 22 - - - -
2 2 S 26 Q S
3 44 Q 4 S S S
4 21 S 44 Q S S
5 44 Q 21 S S S
6 21 S 25 Q S S
7 44 Q 21 S S S
8 21 S 25 Q S S
9 44 Q 21 S
10 21 S 44 Q S S
11 44 Q 21 S S S
12 21 S 25 Q S S
13 44 Q 21 S S S
14 21 S 25 Q S S
15 44 Q 21 S S S
16 21 S 25 Q S S
9ターン目へ戻る 以下ループ

BP:ターン開始時のBP A:行動 Q:クイックタイム S:攻撃術 雪:ダークにシムラクラム
妙:テオドールに技術強化の妙薬 聖:奇跡の水 素:武器基本技 爆:LP自傷術

これは、BPの成長が必要最低限だった場合のBP収支と、各ターンに対応する行動を示した表です。テオドール・ホークが交互にクイックタイムを使い、それを支えるようにしてダークが聖杯を使い、聖杯のEPが0になったら自爆すると同時にシムラクラムで召喚状態を保っていることがわかります。なお、テオドール・ホーク以外のBPについては、クイックタイム役のBPだけが重要であり変動も激しい(他のキャラは聖杯で常に満タンで消費もかなり少ない)ため、テオドールとホーク以外のそれは省略しています。

まず1ターン目にクイックタイムを使うためにテオドールのBPが44以上必要です。43、42でもスキルレベルを5にすれば1ターン目からクイックタイムを使えますが、ジュエルが不足気味なので余裕をもって44にします。また、ホークはテオドールと交互にクイックタイムを使いますが、そのためには最大BP44が必要不可欠です。ホークがBP満タンの状態でクイックタイムを使用した2ターン後(つまり、ホークのクイックタイムのターン)、聖杯なしでもクイックタイムが使えるようになるまでにBPが回復するためダークが自爆なり攻撃なりの聖杯以外の行動ができることがポイントだからです。この時ホークはBPを消費する攻撃ができない代わりに、素振りで閃きに期待します。

他のメンバーは術連携で攻撃します。相手の属性防御やダークの連携参加の可否に合わせて何種類か連携を用意しましたので以下に示します。

大空飛竜 3 雷幻術(グレイ)→生命波動(パトリック)→ウォーターガン(テオドール)
4 雷幻術(グレイ)→生命波動(パトリック)→ヘルファイア(ダーク)→ウォーターガン(テオドール)
守護獣 3 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→雷幻術(テオドール)
4 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→氷幻術(ダーク)→雷幻術(テオドール)
フリーレ 3 吹雪(グレイ)→雷幻術(パトリック)→ウォーターガン(テオドール)
4 吹雪(グレイ)→雷幻術(パトリック)→ヘルファイア(ダーク)→ウォーターガン(テオドール)
ドレイク 3 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→氷幻術(テオドール)
4 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→ヘルファイア(ダーク)→氷幻術(テオドール)
それ以外 3 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→ウォーターガン(テオドール)
4 吹雪(グレイ)→生命波動(パトリック)→ヘルファイア(ダーク)→ウォーターガン(テオドール)

サルーイン戦では、敵が一人のため陣形がグレイ(ジャミルの竜人障壁利用)、テオドール(ウコムの鉾の術具速度効果利用)のふたりが中列である以外自由であり、柱を崩すために陣を発生させたいため、術連携なので魔陣を狙いダークを前列・パトリックを後列に、ホークは素振る武器によりますが、使うのはデスからもらえる死の剣や金が余った時は店売り最強火力のクジャラート弓なので中列に配します。

ちなみに、本攻略の調査も佳境に差し掛かるまでは、唯一の失敗要因であるLP切れを心配してミイラの薬を召喚キャラに持たせていましたが、そこまでLPが減るような長丁場になることはなかったため、代わりに妙薬を持たせてよりBP供給の安定性を高めることになりました。結果的にこれは大正解でしたが、詳しくは実践編にて。

なお、サルーイン戦では第二形態1ターン目は無防備であり、ここではテオドールが術具で先制してクイックタイムを使う必要があるため、テオドールがクイックタイムを使う(はずだった)ターンに形態移行を起こすようにします。つまり、ホークがクイックタイムを使うターンで、なおかつ形態移行してしまう危険がある累積与ダメージのターンにはクイックタイムの行動順指定を早くしてサルーインにダメージを与えないようにします。

2.10 完封戦術を支える能力値の要求

前節で述べた戦術で完封が成立するには、BPはもちろんですが、とにかく1ターン目でテオドールの先制クイックタイムが通ることが重要です。先制することは攻略の全編に渡る前提条件でもありますので、本節では、これまでレポート内で「必要な能力」としてきた攻略各所での能力値の必要条件を一挙に示してしまいます。

序盤~カタコームまではランダムな能力値の成長にはあまり期待せず、またほぼ成長しなくても問題ないような装備品によるボーナスがありますし、敵の強さに比して竜人障壁や合成サイコが強すぎるため特に心配する必要はありません。

カタコームでの稼ぎ戦闘で戦うことになるのは、エスタミル・シャドウおよび、さまよえるエスタメル人の二種類です。前者はHPが、後者はそこそこのHPに加え防御が高く、いずれにせよそれまでのように合成サイコや合成火の鳥で一発確定ということはありません。サイコブラストのアレンジをホークが最初に使っている生命波動+覚醒印ではなく、スペルエンハンス+生命波動(テオドール初期)や火の鳥+スペルエンハンスに変えればその限りではありませんが、初期BP的に使えません、また知力も育っていないため狩り始めの頃に一発で倒すことはできません。

そこでテオドール・ホークの二人のサイコブラストで倒すことを考えます。上記の不死特効レシピを使えば二発で確実に倒しきれますが、問題はやはり素早さです。エスタミル・シャドウの素早さは24、さまよえるエスタミル人の素早さは18で、速度値は最大でそれぞれ9651と7654になります。対して、重量にもよりますが、パーティメンバーは素早さ32程度あれば速度値は最低でも9700を超え先制が確実に先制が可能、37程度あれば速度値は最低でも11000程度になりその90%、すなわち行動が連続した時に後続のキャラが補正される速度値でも先制が可能になりますので、目指すのはこのラインということになります。実際にはそれまでの戦闘で能力値を意図的に稼いだり調整したりするのは難しいため、テオドールとホークの装備をこのラインにできるだけ近付けるように変えるという形になります。さまよえるエスタミル人の方が素早さが低く安全なので、最初はそちらを優先して倒した方が良いですが、すぐに素早さが成長して安全水準に入りますし、結局どちらが出現するかは選べないので、そこまで気にする必要はないでしょう。
※オウルの杖の速度効果を考慮していないため、実際はより安全です

次に、カタコームでの稼ぎとしもべ狩りが全て終了した後の能力値の要求について考えます。倒すべき固定敵で残っているものは大空飛竜、海底神殿の固定敵(守護獣やミニオンを含む)、フリーレ&ドレイク、そしてラストのサルーインです。しもべ狩り終了後に能力値をそこから新たに上げ始めるというのは現実的ではありませんので、これらの敵全てを倒せる能力をしもべ狩り終了時点で身に付けていることが前提となります。この中で最も高い速度値を叩き出してくるのはサルーインで、またウコムの鉾を手に入れる前は速度補正が付かないためまた別枠で考える必要があり、この間に戦う敵の中で最も速い敵は大空飛竜です。なお、クイックシムラ聖杯で完封する戦術は共通のためBPの要求ラインも同じで、これは既に前節で述べた通りテオドール・ホークともに44です。

2.7で述べた通りオブシダンソードを献上し、かつ「テオドール乱心」をクリアしない(理由は邪教の廃墟が狭くチェーンバトルが危険であり、またそもそもダンジョンを進むという行為自体面倒で負担になるため)のでルビーも自動献上がONになります。従ってDS2個献上状態のサルーイン(通称?2サル)と戦うことになりますが、この場合、第一形態の素早さは52で第二形態が57となります。オブシダン譲渡のおかげで速度値補正のある技は使ってこなくなるため、より速い方の素早さ57に対応する速度値だけ考えればよく、これは最大で20633です。一方、ウコムの鉾経由・中列で放つクイックタイムは、素早さ57、重量44、最低乱数で20888となり、この状態ならば確実に先制可能です。装備を
翼の槍(+5)×2、ウコムの鉾、海人のバンダナ(+1)、疾風の靴(+10)、翼のお守り(+3)、ブラックダイア(+1)
とすれば、重量44で合計で25もの素早さボーナスが手に入り、素の能力値だと57-25=32で良く、これはしもべ狩りどころかカタコーム稼ぎで十分に届く値です。

一方、大空飛竜は素早さ48、速度値ボーナス技はないので最大でも速度値17638です。この時、ウコムの鉾やブラックダイアがなく、テオドールの装備は
翼の槍(+5)×2、海人のバンダナ(+1)、疾風の靴(+10)、翼のお守り(+3)
となり、重量25で素早さボーナス24ですが、この時に確実に先制するには素早さ63(最低速度値17887)が必要です。素の素早さにして63-24=39となり、これはしもべ狩りによってそう難しくもなく達する数値です。サルーイン戦での要求値32より高く、しもべ狩りではこのテオドールの素早さ39という値が目標になります。

以上をまとめると、カタコーム狩りではテオドール・ホークの素早さが37、32(順番は任意)に近付くよう装備を調整し、しもべ狩りではテオドール・ホークのBPが44に、テオドールの素早さが39になるまで稼げば良い、ということになります。

2.11 終盤の攻略順の決定

上記の完封戦術があれば負けることはありえないのですが、例外として雑魚敵とのチェーンバトル(=逃げられない)で出現するサイクロプスが挙げられます。理由は2.8節で述べた通り竜人障壁を抜けて来るためですが、その速度値を上回ってしまえば先制されないので、やはりテオドールの素早さはできるだけ上げておく必要があります。それだけでなく、サイクロプスとチェーンバトルで出会ってしまうようなダンジョンは凍った城だけなので、ここの攻略をウコムの鉾入手後およびジャミル竜人認定後にすることで、仮にそんな状況になっても術具の速度補正を得ることで可能な限り先制される危険を減らすという対策が考えられます。また、海底神殿で活躍する吹雪を有効に使うためには、事前にジャミルを竜人にしておく必要があります。ということで、終盤のイベントはメルビル襲撃→ウコムの海底神殿→凍りついた城という順番でこなすことになります。

シェラハの恩寵値を消費してしまうといけないので、しもべ狩りが終わったらすぐに三地点の話を聞くべきですが、実際に冥府に行くタイミングはというと、これはやや事情が複雑です。ウコムの海底神殿が発生中(マリーンが海辺の町を徘徊中)だとダークが町に現れなくなるため、海底神殿に備えジャミルを竜人にする際に再加入が最も容易なダークを外すということはできなくなります。さらに、ホークを外すと凍った城の情報を聞く際にデスにテオドールを捧げてしまい、彼の再加入が不可能なためクリア不能になります。パトリックは彼の家との往復が面倒なので外したくありません。そこで、大空飛竜撃破後に冥府に行き、ホークを捧げて即復活してついでにサルーインの居場所を聞き、地上に戻ったらホークを放置してジャミルを仲間にし、竜人クラスに就けた後別れ、ホークを拾いに行って満を持して海底神殿に挑むという流れにすれば良いでしょう。

ルート選択についての詳細な検討は以上です。次の章ではここまでの考察を元に構築した攻略チャートを示します。

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